第11回例会(2018.9.12)「今年度のまとめ」考えて、発表の準備をする

昼の部 (9名、新顔さん1名含む)
 9月6日未明の胆振中東部地震での、それぞれの体験談でスタート。大きな被害に遭った人はいなかったようですが、地震後にしばらく続いた停電について、それぞれの苦労が語られました。避難所が開設された市町村での、障害をもった人たちへの配慮などはどうだったのでしょうか。事後的にも検証されることが期待されます。
 停電によって冷蔵庫内の食べ物が保存できなくなって、近所の人たちが集まって食べ切ってしまう、という思わぬ新しい付き合いが生まれた例が報告されました。高齢者から心配事についてのつぶやきがあったそうですが、年配者にはかつて停電がありふれていた頃の記憶があるのですから、逆に率先していろいろな工夫の仕方や周囲を安心させるような発言を期待できるといいのに、という発言もありました。
 発表会に向けて、原案の検討が行われました。準備段階や当日のメンバー参加があまり多くないことが分かり、内容の再検討、圧縮や合体などが必要になることが決まりました。お勧め絵本の報告があり、「やまのかいしゃ」という本の内容説明とおすすめポイントの発表がありました。
 「発表会までの時間が少なくて心配です。あるある寸劇のシナリオが、うまく出来上がるのでしょうか」「29日は、どういう風になるかわかりませんが、よろしくお願いします」といった感想がありました。

夜の部 (5名)
 各自の地震体験、停電体験を語り合いました。6日朝のことですが、勤め先の要請で早朝4時に出勤したメンバーがいて、医療に関わる職場での対応のたいへんさを実感させられました。発表会に向けての話し合いでは、コミュニケーションの問題について、話題にしたいとの意見が出ました。あるある寸劇などのテーマに取り入れることが確認されました。発達障害の当事者によく見られるのは、話し相手の冗談と本気の見分けがつかない、という困難さです。そんな困りごとがはっきり表れるような、場面を描き出したいと話し合われました。「普通」という言葉が、よく日常会話に使われますが、その解釈も当事者には難しいことがあります。そんな場面を描くことが出来ると良いのに、と話になりました。
 「普通についてあらためて考えた。分析していくととても深い。当事者の人の子ども時代の体験例は、とても貴重だと思う」「発表会の内容について、興味深く学べる機会になるように自分としても出来ることは一生懸命にしていきたい」などの感想がありました。

第10回例会(2018.8.22)「どんな社会なら生きやすいのか」を考える

昼の部 (6名)
 障害をもつ人にとって、一生涯を通した生活設計を組み立てにくい現実がある、という話がありました。どういう障害なのかによる違いはあるにしても、恋愛や結婚や家庭生活や社会人生活などのステップごとに困難があるといえます。性教育の必要性など個別の事情よりも、地域で生活し続けることへの課題の共通性に目を向ける必要があるとの発言でした。
 行政だけではなく民間のグループなどでも、各施設の見学会があったり、通所の紹介合いもあるようです。インターネット上ではたくさんの情報が行き来しています。とはいえ、実際に困難を抱えた人びとに、そうした情報が届いているのかには疑問が残ります。この勉強会のような機会が、少しでもそうした隙間を埋められるようにと願っています。
 感想には、「多様性のある社会、多様な人がいるということを受け止める、と口では簡単に言えますが、自分でもなかなかできていません。意識しながら、人と接していきたい」、「障害をもつ人が働けるところが増えてほしい」、「心に残るkey word が見つかりました。共感・嫌尊主義・混沌・自分が役立っているという実感。実感できる仕組みが必要だと思いました」などがありました。

夜の部 (5名)
 社会全体の変化が大きくなってきている現代のことが、まず話題になりました。AI(人工知能)の利用などが生活全般に定着していくなら、これまでの社会で有用とされてきた対人関係スキルなどは価値が下がるのではなかろうか、といった予測です。発達障害については、独特なコミュニケーション方法が注目されていますが、そうした違和感がAIの浸透で目立たなくなる可能性がある、と議論されました。一方で、人工的な会話でもやり取りが成り立つのに、それさえもできない人がいると過度に問題視される逆の可能性もあるかもしれないと議論になりました。
 ビッグデータとディープラーニングは、人間の予想を超える推論をします。その判断の経路を人間が後追いすることは難しいです。そうした不可知な機構でも、任せておけば大丈夫だと思えるかどうか。人と人の関係に機械を介在させても不安を感じる必要がないのかどうか。考えるポイントは多くありそうです。シンギュラリティも話題に出ました。
 主な感想は、「複数の経験を連携させて、その人の人生ものに価値を見出すような就活が出来れば、その社会は良い社会だと思う」、「糞土師の話がすごくよかった」、「生きやすい社会は、例えば京大の寮のように上下関係がなくて話しやすい環境などが、必要になってくるのかな、と思いました」などがありました。

第9回例会(2018.8.8)「大人の発達障害」を二つの視点から考えよう

昼の部 (6名)
 テーマに関連した資料として、新聞記事と書籍の紹介文が用意されました。二次障害としてストレスから抑うつ状態になる例が多いことや、自分から発達障害と診断されたがる成人女性が増えていると解説がありました。社会の受け止め方について話題が広がると、サルとゴリラで他者との関係づくりが違うという話も出ました。山極寿一本の要点によると、サル同士は勝ち負けで相互の関係ができるのに対して、ゴリラは負けないことで関係が維持されるとのこと。医療モデルの見方から社会モデルの見方を示唆しています。でもその先に、でも社会は甘くない、という現実もあると会話は続きました。
 感想では、「今日は時間が足りない程、バラエティ豊かな内容でした。参加者が各々自分の意見を出し、話がつながっておく、シェアリングらしいですね」「ボウリング(が破壊衝動を抑えるのに良いとの話題に)は好きなので、子どもとやってみたい」「本での知識と、私の現実的に対応している考え方に少しズレがあるのかも」などがありました。

夜の部 (5名)
 大人の発達障害がニュースになっていることへの驚きや、診断を受けたがる人がいることに関心が寄せられました。身近な人同士で、誰々や自分が発達障害っぽいね、といった話をすることがある、とも語られました。そうした知識の多くは、インターネットを介したものだったりするので、その信頼性などについても、多角的な検討が必要になることでしょう。基本的には、知識を増やすことは必要で、その内容を丸ごと信じ込むのではなく評価し直す冷静さが大事なようです。
 感想には、「資料を読んで、診断を求めに行く人が多いことに驚きました。様々なテーマについてお話を聞いたり、とても勉強させていただきありがたいと思います」「発達障害の人を全体に合わせるのでなく、当然一緒にいる、という意識を持つことができれば良いと思う」「障害があるから、と開き直るのではなく、まず出来ること・やれそうなこと、から手を着ける・行動してみることが大事」「自分自身、今日話されたことと似たようなことを感じるが、それぞれ理由があると分かりつつあるので、今回の話(のような右往左往する様子)がいまいちピンとこない」とありました。

第8回例会(2018.7.25)「マインドフルネスについて調べてみよう」

昼の部 (8名)
 過去や未来のことなどに、心を煩わせるのではなく、「今ここで」に意識を集中させようとするマインドフルネスについて、NHKの番組や専門書の解説などを調べて話し合いました。放送された番組内容の要約がホームページにあったので、実際に手順を追って体験してみました。その手順は6段階でした。(1)背筋を伸ばして、両肩を結ぶ線がまっすぐになるように座り、目を閉じる。(2)呼吸をあるがままに感じる。(3)わいてくる雑念や感情にとらわれない。(4)身体全体で呼吸するようにする。(5)身体の外にまで注意のフォーカスを広げていく。(6)瞑想を終了する。
 感想は、「落ち着くための手段として、わが子や自分の生活の中に取り入れていきたい」「体の感覚を取り戻すという事なのかな、と思いました。頭(脳)で考えてばかりいると、体の感覚がなくなってしまうように思います」「仏教における瞑想は、信仰とは別に精神医療としてあったのでは、と思いました。人間の治癒力に注目するためです。二千年前にここまで考えた人間に興味をもちました」「十牛図(十牛禅図)という禅に関して書いたものを思い出した」などでした。

夜の部 (5名)
 呼吸に意識を向ける瞑想法について、説明と実際の体験をしました。精神科医による日常生活の中でのマインドフルネスの実践法を、手順のそって体験しました。静座瞑想としては、一日2回、1回につき2~5分で始めて、自分に合わせて調整していくとのことです。瞑想法には、歩く瞑想や食べる瞑想や立つ瞑想などがあるとのことでした。比較的単純な反復動作は、マインドフルな実況の対象になり得るので、例えば、掃除機を掛ける・食器を洗う・雑巾がけ・歯磨きなども瞑想に利用できるそうです。症例では、PTSDのフラッシュバックが減ったり、時間感覚が戻ったり、過食が減ったそうです。
 感想では、「マインドフルネスをあえて持つ事ができない、ストレスを抱える人に、その時間を作ってあげることが大切なのだろう」「発達障害に有効的になるのであれば、取り入れて行くのも一つの方法だと思います」「奥深い世界の内容で、まだもっと知りたいと思った」などがありました。

第7回例会(2018.7.11)「今年前半の発達障害ニュースを振り返ってみて 」

昼の部 (9名)
 インターネットのニュースサイトで、「発達障害」をキーワードにして1月から記事を保存しています。一覧表に載せた記事の数は、1月が153件、2月が181件、3月が230件、4月が250件、5月が203件、6月が241件でした。二人のペアをつくっていずれかの月を受け持つことにして、それらの記事の中から気になる記事を取り上げて発表し合いました。
 以下の記事が取り上げられました。「発達障害の子『死ねば分かった?』福井新聞2月」、「わが子の発達障害を認めない『無理解・無協力夫』に『無神経な姑』どうすれば?ウーマンエキサイト1月」、「発達障害の警察官が得意を生かして活躍する たーとるうぃず4月」、「特別支援学級で育った子の知られざる本音 東洋経済5月」など。
 感想には、「発達障害の検索で、これだけ様々な記事がヒットしてくる事におどろきました」、「大変興味深い学びでした。発達障害の情報がマスコミに毎日流されていることを知って驚きました」、「(ニュースの)全てを信じるのではなく、良いものを選んで活用できたらと思いました」などがありました。9月の発表会に向けての提案として、「昨年行った『あるある』を継続していけたら良いなあと思います」というご意見もありました。さっそく話し合っていきましょう。

夜の部 (7名)
 夜は、参加者一人一人に気になる記事を選び出してもらいました。話題に上ったのは、「大人の発達障害支援を議論『当事者会』フォーラム開催 産経新聞1月」、「発達障害は矯正しないほうが幸せに生きられる? ダ・ヴィンチニュース3月」、「腕に巻きつける"WEMO"が地味に便利 IROIROニュース5月」、「予想外のスピーチ、発達障害の高校生が予想外のメッセージ たーとるうぃず6月」などでした。
 感想としては、「発達障害を正しく理解してもらえる記事が増えると良いと思います」、「発達障害の理解がない、もしくは乏しい人が記事を書いていていたりする為、記事はある程度理解、知識を得てから記載して頂きたい」、「ニュースを選ぶときに、自分と違う視点で選択された話題がとてもおもしろく興味深いものがあり、とても楽しかった」「ニュースを見たり、参加者の意見を聞いて、発達障害の高校生の状況について関心を持ちました」などがありました。
 社会全体が何に関心を向けているのかを、大づかみで探ることができました。今後に方向づけに、社会の一員として関わってけるように取り組みを考えていきたいものです。

第6回例会(2018.6.27)「子育てサポートの活動を続けて気づいたこと」講演会

昼の部 (7名)
 子育て支援サークルSAMAYOKAの菅原香織さんに、講演をしてもらいました。四人の先輩ママさんらが、自主サークルとして活動を始めたとのこと。子育てに困っていたりする夫婦や、手助けしたいがどうするのが良いのかと悩む周囲の人びとに対して、さまざまな提案や具体的なワークで学ぶ機会を提供して来ているそうです。昼夜の2回、話してもらいました。
 発達障害と限定した内容ではありませんでしたが、社会の中で子育てに注がれる視線の変化などについて語ってくれました。イクメンと、イクメンブルーなどの言葉。「手伝う」という夫から発せられる何気ない言葉が、じつは妻の気持ちを萎えさせているような事実に、気づかせてくれる話でした。
 感想には、「産後の大変な時期に、様々なプログラムがあるという事を初めて知りました。こういうのを知りながら、子育てをしていければいいと思いました」、「自分の時代とのギャップがありすぎ」、「大変勉強になりました。子どもを育てていた、現在も育てていますが、子育てにとても勉強になりました」などがありました。また、室蘭民報紙の記者さんも取材に来てくれていました。記事は7月2日(月)朝刊に掲載されました。

夜の部 (13名と赤ちゃん1名)
 スライドでの説明を見たり聞くだけでなく、小グループでの話し合いも取り入れて内容理解が深まりました。親として子育てするにしても、そのベースになるのは自分が子育てされた実体験が大きい、との説明がありました。そしてこの自分自身の被子育て体験には、夫婦で差が大きい可能性があるとも指摘がありました。こうした事実に気づけるような、質問紙もありましたが、大事な視点だと思えます。話し合いでは、自分には何ができるかを考えてみる、とテーマが出されました。3グループでの話し合いは、結構熱中したものになりました。
 学生からの感想には、「世界がまったく違うと思った。自分が祖父母に世話をしてもらっていたせいか、核家族でおきる今の父親の実態や母親の苦悩も知り、戸惑った」とあったり、小学校教諭の方からは「イクメンブルーについて知ることができた。各プログラムの教科書も良かった。学生の方の考えを聞けて良かった」、他にも「うなずける講習でした。このようなサポートがあれば、悩んでいる人が少しでも少なくなるのでは、と思います」、「(子育てに関係する)環境はどうでも、世の中の『枠』は思っているよりももっと広く大きいのではないか、生きていく中でそれを感じてきている今日この頃です」などがありました。それぞれの皆さんが、ご自身の体験と重ね合わせて講演を聴いていたことが伝わって来ます。
 夜の部には、SAMAYOKAメンバーの方のご参加もありました。赤ちゃん連れのママも来てくれていました。

第5回例会(2018.6.13)「嗜癖・アディクション・止められなくて困る 」

昼の部 (10名)
 3週間ぶりの顔合わせになったので、近況報告を全員が簡単に話すことにしました。ニキリンコさんの本を紹介してくれる人や、北星余市高校に関わる話題を話す人、お子さんの通学に心配するお話や、知的障害者のグループホームでの世話係の様子のお話など多彩な体験談が語られました。言葉にしてみて気づくこともあるように思えました。
 テーマとして取り上げた嗜癖や依存症については、スライドで内容の説明が進められました。例として挙げられた中にガソリンを吸い込んで中毒症状に陥った少年についての症例報告があり、何に依存するかは人それぞれであることや、単に心の弱さが原因ではなく、脳の病気だととらえる必要があると理解すべきだと話は進みました。ある説によれば、依存症とは別なより苦しい状態から逃れようとして物や関係に敢えてはまり込む、という無意識の行動だと語られていました。
 感想には、「脳の働き・機能について大変おもしろかった。発達障害の人の脳についても学んでみたい」「乱用から嗜癖に至る過程は身内の話と重なった。もっと早くにこうした勉強会に参加できていれば良かった」「話題が広がり面白かった。新しい人も話しやすい雰囲気になってきた」などがありました。

夜の部 (7名)
 依存にまつわる話をしてもらうと、学生仲間とカレーのこくまろにはまっていると紹介してもらえました。他にも、ジンクスのように何を食べておかないと悪いことが起こると思い込んでしまう体験話もありました。どうやら身近なところにも、「止めたいけど止められない」という例は多そうに思えました。
 新幹線の客車内で他の乗客に鉈で切りつけるという事件があって、その犠牲になったのが制止しようとした人だったことがとても痛ましいと話題にした人がいました。事件を起こした人が異常だったから、という単純化された見方はできないと思えます。何かの考えに囚われてしまって逃れられなくなる、というのも依存症的な話に思えます。
 夜もスライドを使って嗜癖の説明をしました。感想には、「アディクションと発達障害との関連がわかりにくかった」という書き込みがありました。スライド内にも説明がありましたが、精神科医の一人は依存症の背景に発達障害が隠れている例をよく体験したと語っています。発達障害の傾向がある人には、依存症への進みやすさがあるのかもしれません。発達障害の当事者には、周囲の人が特別な配慮が必要になるのではと考えられるのです。他の感想は、「認知行動療法や内観法についてもっと知りたい」、「自分にも似た体験があった。今、苦しんでいる人に良くなった自分のことを伝えていきたい」「虐待などは、行為の依存だと思いました」などがありました。 

第4回例会(2018.5.23)

昼の部 (19名)「サイコドラマ体験」
 前田潤教授による特別体験講座として、サイコドラマを体験することができました。このサイコドラマ(心理劇)とは、集団精神療法の一つとされていますが、もっと広く受け止めて身近な気づきの場にできることを体験しました。大きく三つのステップに分けられていて、最初は集まった参加者同士でウォーミングアップをしました。なるべく知らない人同士でペアを組んでから、共通点を探す話し合いをして発表し合いました。その次がドラマで、最後にシェアリングと進めました。
 ドラマづくりには、参加者が次々に登場人物になっていきます。テーマはアメリカンフットボールの試合で選手が危険な反則タックルをした事件から、弱い立場の者に悪事を強いるいじめの問題へとつながっていきました。演じられたのは、嫌なことをさせられる子ども・いじめ解決を求める親・親と子・親同士などがの場面でした。各場で交わされる会話を、互いに役を変えながら何度も演じ合いました。シェアリングは、演技の話ではなく自身が感じたこと、変化があったことを話し合いました。
 感想には、「自分を客観視できた」「場面の流れを多角的に見られた」「自己肯定の思いを実感できた」「関係や構図がすっきり理解できた」「違う自分、を考えられた」などの好意的な内容が多く見られました。

夜の部 (7名)「定型発達症候群って何?」
 昼に実施したサイコドラマの体験内容を、何とか説明しようとしました。実際に体を動かしたり声を出したりしないと、その伝わり方には限界があるようで難しいものでした。まだ体験していない人は、機会があればぜひ体験してもらいたいです。
 テーマとしたのは、定型発達症候群でしたので、その説明動画を視聴しました。5つの質問を紹介した有働アナウンサー自身が、その中の二つ(本音を言うのが苦手・必要ならウソをつける)に該当すると答えていました。定型発達とは、発達障害をもたない人を意味します。つまり、この「定型発達症候群」とは、世の中の9割を占める多数派が示す行動を発達障害をもつ側から見た言い方になります。本音を言ったりウソをつけない人には、理解不能な多数派の世界なのです。
 専門的な用語の解説や、歴史的な変遷、「普通」という言葉意味など、話は広がりました。主観的の自覚は難しいという話も出ました。感想には、「自分自身が他人の『普通』に侵されてるかな、とも思った」「色々な考えを受け入れられる社会だと、皆が暮らしやすくなるのでは、と思う」「少数派の大切さ、に関する体験談を語る場があってほしい」などがあり、新しい自分の気づきについて書いてくれていました。

第3回例会(2018.5.9)「体を動かすと、友だちつくれるのかな? 」

昼の部 (13名)
 体を動かすことは身体能力や機能をアップさせますが、対人関係づくりなどにも影響するらしい、というのはどこまでその理由が解明されているのかを調べて考えました。新聞記事からコオーディネーションを取り上げました。特定の動きを繰り返し練習するのが一般的なトレーニングですが、このコオーディネーションでは瞬時の変化に柔軟に対応できるように同じ動きの練習ではないとのこと。関連して、かつてのリズム体操、ニューヨークでのプレーゾーン実践の話題が語られました。
 感想には、「他人と何かを一緒に出来るという事は大いに友だちになれるのでは、と思えた」「指先の運動が出来る遊具の紹介が出来た。子ども達のこだわりについても話し合えて有意義だった」「本の紹介(敏感すぎる心がスーッとラクになる本)が良かった」「勝ち負けにこだわらない運動も知っていた。これが何で新しいのかわかりません」などがありました。

夜の部 (8名)
 からだを動かすことの意味に関わって、埼玉県深谷市で見学したさくら・さくらんぼ保育園の様子や、アルプスこども園でのキャンプ体験などが保護者の立場で語られました。お子さんが当時を振り返って「自分が最高に輝いていた時期は、保育園時代だったな」との言葉に深く考えさせらた、とのことでした。他にも大学生ボランティアとして子どもキャンプに参加した体験や、ふぉれすと鉱山キャンプの感想も語られました。ゴーグルを着けてのバーチャルリアリティ(VR)のゲームでも運動量が増えることになるが、それは実際にふれあう体験と同じなのか、拡張現実はどうか、などは例会テーマになりそうです。
 感想には、「シェア会メンバーでもキャンプの機会があればやりたい」「スポーツと脳は、楽しむこともそうですが、刺激になるのだと思います」「いい雰囲気でした。私の昔の常識が今は『おしえてもらう』になっていて、少し違和感を感じた」「微細脳障害MBDは初見であり、昔発達障害が脳の傷が原因と言われていたことを思い出した」などがありました。

第2回例会(2018.4.25)「発達障害などの相談窓口って?」

昼の部 (13名)
 「発達障害などの相談窓口って?」のテーマだったので、小学校の途中からお子さんを特別支援学級に通わせることにした方の体験を話してもらいました。なぜそうした変更を選んだのか、についての部分に力が入り過ぎて、制度や手続きの実際面を話す時間が限られてしまいました。一部の参加者から時間配分に対する注文も出されました。転籍の切っ掛けとなる幾つかの積み重ねの出来事が、聞いていて悲しくなりすぎた、という声も聞かれました。
 他の感想には、「学校や病院など、色々期間で”障害”というものの捉え方、考え方が大きく違うということに改めて考えさせられた」「経験多数な参加者がいたので良かった」「児童デイサービスや障がいについての相談先などのことも、ぜひ聞きたい」「学校ではない所で、発達障害のことを相談できる窓口などを知りたい」などがありました。

夜の部 (7名)
 実際に児童福祉の仕事に携わっている方が来られたので、自治体での各種サービスなどについて、概略を聞くことができました。室蘭市の場合だと、「あいくる」に複数相談窓口があることのことです。学校教育との関連では、小中学校では既に定着していた「通級指導」が、今年度から高校でも実施される話を新聞記事を元に話し合いました。特別支援教育の考え方は、通常学級にも支援を要する子どもがいるはずであり、誰もが自分に合った学び方で学べるようにするというものでした。高校での通級指導開始は意味ある一歩ですが、全道で5校しかないという実態には少々驚かされました。
 主な感想です。「障がいがあっても集団の中で過ごせるのは理想。人の違いで差別しない、個を尊重する教育や就労の場をつくっていけると良い」「自分が、この時代に学生だったら果たしてどうなっていたのだろうか?と考える機会となった」「夜の部の方が、色々な話が聞けてよかった」「トレーニングの話を、次は聞きたいです」ということで、次回の例会では体を動かすことで対人関係にどんな影響がきたいできるのか、についてです。

第1回例会(2018.4.11)「今年度の活動について」

昼の部 (13名)
 一人ずつの自己紹介。参加の動機、関心のありどころ、今後の取り組みに期待することなど。市内に開設したばかりの民間児童発達支援・放課後デイサービス施設から5名の参加がありました。スタッフには保育士の方が多いとか、スポーツを取り入れた取り組みを予定していることなどが語られました。新学期スタートで、緊張が高まっているお子さんについて、気になる振る舞いが見られると話してくれた自己紹介もありました。トトロの会(5/12)の案内もありました。
 主な感想では、「本年はサイコドラマの体験をしてもらいたい」「いろいろな境遇の方達と話すことが出来、良かったです」「民間の支援グループが、既に札幌で480カ所あるということで、本当に驚きでした」「苦しいシール、すごくほしい。が、使いすぎてかまってもらえなくなる気がして不安」「人間関係を風通しの良いものする為に、話す事の大切さ、どういう風な話し方をすれば良いのか、とても参考になりました」などがありました。
 次回例会に向けて、①発達障害などについての相談窓口や施設などは具体的にどこにあってどうなっているのか、②体を動かすことで、人間関係づくりにどんな影響があるのか、を調べたり考えておくことにしました。

夜の部 (7名)
 お互いに顔見知りだったので、すぐに話し合いになりました。教育に関わって、適応指導教室の取り組み方と対象の子どもの選び方を知りたいという疑問、自治体によって「Helpマーク」の受け取り方が違うようだが、どうしてかという疑問が出されました。できれば、次回例会で実情の話が聞けるとありがたいことです。大学新入生向けの対人関係オリエンテーションスライドを試演して、感想を述べ合ったりもしました。
 主な感想では、「非言語情報について。たぶん詐欺師はすぐれているのかも」「コミュニケーションで、苦手を感じる自分だけど、少なくとも笑顔でいられるように務めていることに気づいた」「半年ぶりの活動参加。日々学び、情報交換できるようにしたい」「日常の生活で心について考えていない。ここで多くの考えを聞けて、自分の考えの整理ができて刺激的」「自分の事例や、様々な情報を伝えられたらと思います」などがありました。
 皆さんが、例会の活動を前向きに受け止めていることが、よく伝わって来ました。新年度方針として固まったものはまだありませんが、活動の中で見定めていくことにしましょう。電話やメールでの参加希望もありました。次回が楽しみです。

 

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